【野球名言】山田哲人の凄さが分かる名言・語録集!トリプルスリーを何度も達成できる天才打者の野球観と努力論とは
一流打者の証と言われる打率3割、俊足ランナーの証である30盗塁、そして長距離打者の証である30本塁打。それらを同時に達成するのが流行語にも選ばれた「トリプルスリー」です。
野球選手としてはもちろん、アスリートとしての高い能力の証明ともいえます。
歴代わずか10人しか成し得ていない記録であり、それを唯一3度も達成したのが、山田哲人です。
三冠王の場合、本塁打数と打点はある程度連動しますが、トリプルスリーの場合には、それぞれ別の能力や技術を必要とするものであり、それらをいずれも一流と呼べるレベルで記録するのは至難の業です。
しかも山田は右打者でのシーズン最多安打を放ち、本塁打王や盗塁王をも獲得しているのです。
山田は2015年と2016年に2年連続でトリプルスリーを達成し、更に2018年にもやってのけ、これからまだまだ達成する可能性を秘めています。まさにNPB史上に残る名選手として記憶にも、記録にも残ることでしょう。
今回はトリプルスリーを何度も達成してきた山田哲人の凄さが分かる名言や語録を紐解き、天才打者の野球観や努力論に迫ります。
山田哲人について
まずは山田哲人の経歴を追ってみます。
1992年7月16日生まれ、兵庫県豊岡市出身。履正社高校では3年の時に夏の選手権大会で甲子園に出場。ホームスチールを決め、本塁打も放ちます。2010年のドラフト1巡目で、東京ヤクルトスワローズが交渉権を得て、入団します。
1年目は公式戦出場がなかったものの、クライマックスシリーズに出場し、安打も放ちます。翌2012年に公式戦での初安打、初本塁打を記録。2013年には先発出場も増え、2014年にはレギュラーとして6ヶ月連続初回先頭打者本塁打を達成し、シーズン193安打という右打者によるNPB記録を作ります。
2015年には全試合フルイニング出場し、本塁打王、盗塁王と共に、NPB史上9人目となるトリプルスリーを達成。スワローズの主軸としてだけでなく、NPBを代表するスラッガーとして、高卒わずか5年目で2億円プレーヤーに到達します。また各種大会で日本代表にも選出され、名実共に日本を代表する選手となりました。
2016年にはNPB史上初めて2年連続のトリプルスリーを達成。2017年には不振に陥りますが、2018年に復活し、3度目のトリプルスリーを記録し、シーズンMVPにも選ばれます。2019年も打率は3割に届かなかったものの、本塁打と盗塁は30を越える活躍をしています。
2019年シーズン終了時点で、通算9年間プレーし、1068安打、202本塁打、168盗塁、打率.297。MVP1回、本塁打王1回、盗塁王3回、最多出塁1回、最多安打1回、ベストナイン5回。
もし山田がこのまま大きなケガがなく、日本でプレーし続ければ、通算安打2000本、本塁打400本、盗塁300盗塁に到達するかもしれません。
私が選ぶ、山田哲人の凄さがわかる名言・語録集
【名言語録その1】
「大事にしているのは準備。常に僕は、いくっていう姿勢です。いつでもスタートいけるぞ、いけるぞっていう姿勢で」
盗塁の心構えとして山田が語った言葉です。2015年には盗塁を試みたのが38回で、失敗が4回。
2016年は32回の試みで、2度しか失敗しませんでした。2018年は37回で失敗4回、2019年は36回で失敗3回と、極めて高い成功率を誇っています。2019年には前年から続く、38回連続盗塁成功という日本プロ野球記録も達成しています。
盗塁という戦術は、成功すれば得点するチャンスとなりますが、失敗すれば一気に相手の流れになり得ます。ですから高い成功率を誇る盗塁というのは、監督にとってリスクの少ない攻撃戦術として重宝します。
山田は盗塁に限らず、準備を惰らない選手と知られています。2014年には11種類ものティーバッティングを練習に取り入れ、それを試合前に休まず続けました。しかし2018年には2017年の不調を教訓に、夏バテ対策のためにしっかり休むことを心がけるなど、しっかりと準備を大事にする姿勢がうかがえます。
「試合前は必ず緊張します。とてもしんどいし、試合をしたくないというのが本音」
そう言えるのは、常に「しんどい」くらいの練習や準備をしているからなのでしょう。
【名言語録その2】
「僕はトリプルスリーより、チームを勝たせる仕事を大切にしたいと思ってるんです」
毎年のようにトリプルスリーを個人目標に掲げる山田ですが、それはトリプルスリーを「達成できるぐらい活躍すれば、チームの勝利に貢献できる」という思いがベースにあります。
スワローズには山田の他に、在籍9年間で288本塁打を放ったバレンティンや、首位打者を獲得した川端慎吾、好打者の雄平、そしてメジャーから戻った安打製造機である青木宣親など、攻撃力の高い野手が揃っていたものの、2015年シーズンを除けば、チーム成績は残念ながら低迷しています。
2015年にリーグ優勝した喜びと、日本シリーズで敗退した悔しさを、若手選手として体験した山田にとって、次はチームの柱として雪辱を果たすとともに、村上宗隆のような若手有望選手に、その緊張感と達成感を経験させたいという思いがあるのでしょう。
チームからバレンティンが抜け、山田にはこれまで以上の重圧がのしかかってくるでしょうが、4度目のトリプルスリーが達成されれば、チームも上昇気流に乗ることでしょう。
【名言語録その3】
「できると思うから挑戦するのではなく、やりたいと思えば挑戦すれば良い。そうすれば結果に後悔はないと思う」
オフになるとメジャーリーグへの挑戦も噂される山田ですが、2019年オフにメジャー挑戦を表明した広島カープの名手、菊池涼介が挑戦を断念するなど、残念ながら日本人内野手の評価は必ずしも高くはありません。
人工芝とドーム球場が多い日本に対して、天然芝が中心で、ドーム球場もほぼ無くなったメジャーでは、特に内野手の守備スタイルが違います。それがよく言われるように身体能力の差ではなく、スタイルの違いであることは川崎宗則が語っています。
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誰もが認める名手の菊池がいるために、ゴールデングラブ賞とは縁のない山田ですが、守備範囲を示す指標であるRF(レンジファクター)を見ると、2018年の菊池は5.15に対し山田は5.64であり、山田の方が広い範囲を守っています。2019年も同様の傾向があり、派手さでは菊池の方が上回っているものの、山田も守備は上手いと言えます。
何よりもトリプルスリーを3度も達成するアスリートとしての総合力は、メジャーの関係者も注目している筈です。長い歴史を誇るメジャーでもトリプルスリーを3度以上達成しているのは、バリー・ボンズ唯一人だからです。
「僕はね、油断はしないです。常に相手がいることだし、勝負の世界なんで、いつもどおりやるだけです」
どんなステージであれ、山田はその言葉通り、淡々と自分の目標をクリアしていくように思います。
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名言からの学び
・何事も準備が大事である。
・チームを勝たせるために、結果を求める。
・できることではなく、やりたいことをやる。
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